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2016.04.25 (月)

「れる」「られる」と日本のこころ

和み地蔵バイト敬語に物申す!「よろしかったでしょうか」の番外編です。
「よろしかったでしょうか」の記事を書いていたときに、ふと思い付き、走り書きしたことをまとめてみました。
いっそ潔いくらいにバイト敬語と関係ありませんが、派生ネタということでどうぞよろしくお願いいたします。

受身、尊敬、可能、自発。なんの呪文ですか?

私がもし外国人であったなら、日本語を学ぶときにこういった怒りを覚えたのではないかと思います。

「キーーーッ!なんで受け身と尊敬と可能と自発が同じ音なんだ!!
 こんな教科書食べてやる!!」

はい。ご存知、「れる」「られる」です。
それぞれの例文を挙げてみます。

【受身:他から動作・作用を受ける】
飼い犬に手を噛まれる

【尊敬:相手を敬う】
社長が来られる

【可能:できる】
なんでも食べられる

【自発:自然とそうなる】
この曲を聞くと、子どものころが思い出される

受け身と尊敬と可能と自発の音が同じって不思議じゃないですか?
大特価のバーゲンセールよろしく、詰め込み過ぎて気が狂っているのではなかろうかという暴挙
もし仮に、1柱の神なるものが日本語を作ったとしたら、「もうどうにでもなあれ!」と投げやりになったのではなかろうかと疑うほどです。
ただ、文法用語は後世の頭の良い学者さん達が名前を付けて分類したものです。
受け身、尊敬、可能、自発といったラベルを付けられる前は1つのものであったとするとぼんやりと日本のこころを感じられる気がしてきます。Don’t think! Feeeeeel!

「れる」「られる」はどこから生まれたか

さて、我らがWikipediaを見てみると、

「(ら)れる」の用法には、自発のほかに可能・受身・尊敬があるが、これらも基本的用法としての自発から派生したと考えられている

とあります。
「れる」「られる」の根幹は自発であるということです。
自発が根幹・・・ん?と私は思いました。

更に、国語学者である森田良行が著した『日本語の視点 ことばを創る日本人の発想』をひも解くと、『日本語の「られる」の発想』の項には下記のように記されています。

皆そのような状況を生み出す「ある存在」と、それを受け止める「こちらの側」との、二者関係の問題である

状況を生み出す「ある存在」と受け止める「こちらの側」があって初めて「れる」「られる」は成り立つのですね。
んん゛?!と私は再び唸りました。

日本人とアニミズム

ここからは私の完全な妄想なのですが、日本人にはアニミズム、つまり自然界のそれぞれのものに固有の霊が宿るという信仰が多かれ少なかれ根付いているように思います。
それこそDNAにしみ込み、なじみ、自覚しえないレベルでです。
宗教がかった話ではなく、本が散らかった部屋であえて本を踏んで歩くことがないように、物を大切にするこころ・・・とでもいいましょうか、そういった精神があるように思うのです。
「れる」「られる」の核が自発であるとするならば、自分ではない何かの働きかけで自然とそうなったという図式が成り立ちます。
自分が関知しないこと(=状況を生み出す「ある存在」)を神や精霊、妖怪のせいと捉え、意味を拡大していったと考えると面白いではないですか!
自発以外の、受身、尊敬、可能についても見てみましょう。

【受身】
飼い犬に手を噛まれる

受身は分かりやすいですね。自分ではない何か(この場合は飼い犬)の働きかけで、自然と自分に作用した事柄(手を噛まれたこと)が分かります。

【尊敬】
社長がこちらへ来られる

尊敬は、自分は干渉していない相手(社長)が、自分ではない何かの働きかけで動作を行うこと(こちらへ来ること)を指します。

【可能:できる】
なんでも食べられる

可能は、自分ではない何かの働きかけで自然とできるようになった(なんでも食べられること)が最初の意味だったのではないでしょうか。
使われる内に、「努力の末にできたこと」も意味として含まれ現在に至ると考えると、自発から派生したというのも理解できる気がします。

こじつけと言われればそれまでですが、私には、「れる」「られる」は「妖怪のせいなのね!」で済ませられる大らかなこころが宿っているように思えてならないのです。
まあ、ここまで考えても、仮想外国人の私の

「キーーーッ!なんで受け身と尊敬と可能と自発が同じ音なんだ!!
 こんな教科書食べてやる!!」

という意見は変わらないでしょうが。笑

 

バイト敬語に物申すシリーズ
第一回:~になります
第二回:よろしかったでしょうか
第三回:いらっしゃいませ、こんにちは

 

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カテゴリー: 言葉

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