TOP / 言葉 2015.07.07

句点とかぎかっこの使い方

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万年筆と原稿用紙

「文章を書くのはむずかしい。」

小学校のとき、確かに私はこう習いました。
「人のセリフはかぎかっこでくくりましょう。
文の終わりは丸(。)を書いて、かっこを閉じればできあがり。」

ところが先日、インタビュー記事を読んでいると、どうもそれが全てにあてはまるわけではないらしいことが分かりました。

私は頭をかかえながら「文章を書くのはむずかしい」。

かっこからはみ出た句点(。)は何なのか?
調べてみました。

結論から言うと、かぎかっこの使い方は大きく分けて2種類あります。
国語の授業で習う使い方と、出版業界で主流の使い方です。

国語の授業で習う使い方

閉じかっこの前に句点(。)を打つ使い方です。
教科書で目に触れたり、作文で実際に書く機会が多いので、この使い方しか知らない人もいらっしゃるかもしれません。
実際に私がそうでした。
学校教育は、以下に引用する昭和21年(1946年)3月に文部省教科書局国語調査室が発行した『くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)』を参考にしています。

準則
一、マルは文の終止にうつ。
正序(例1)倒置(例2)述語省略(例3)など、その他、すべて文の終止にうつ。
二、「 」(カギ)の中でも文の終止にはうつ(例4)。
三、引用語にはうたない(例5)。
四、引用語の内容が文の形式をなしてゐても簡単なものにはうたない(例6)。
五、文の終止で、カッコをへだてゝうつことがある(例7)。
六、付記的な一節を全部カッコでかこむ場合には、もちろんその中にマルが入る(例8)。

用例
(1) 春が来た。
(2)出た、出た、月が。
(3) どうぞ、こちらへ。
(4)「どちらへ。」「上野まで。」
(5) これが有名な「月光の曲」です。
(6)「気をつけ」の姿勢でジーッと注目する。
(7)このことは、すでに第三章で説明した(五七頁参照) 。
(8) それには応永三年云々の識語がある。 (この識語のことについては後に
詳しく述べる。 )

出版業界で主流の使い方

閉じかっこの前に句点(。)を打たない使い方で、こちらが出版業界の主流です。
その理由の一つに「句点を打たなくても文の終わりがわかるから」というのが挙げられます。
そして、その使い方の基準となっているのが共同通信社 の『記者ハンドブック』です。
まとめると以下のようになります。


一、閉じかっこの前には句点(。)を打たない。
(例)「文章を書くのはむずかしい」

二、ただし例外として、直前に主語などの語句がある場合は、「と述べた」などの述語が省略されているので句点(。)を打つ。
(例)私は頭をかかえながら「文章を書くのはむずかしい」。原稿の締め切り時間がせまっていた。


どちらで文章を書くにしても、ぶれないことが大事ですね。
ああ、文章を書くのはむずかしい!

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