TOP / 社員日記 2019.11.29

クリスマスカラーの意味

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クリスマス

あっという間に2019年が駆け抜けていきます。
町を見渡せばクリスマスをモチーフにした飾り付けがたくさん!
赤、緑、白に金色。
ぱっと見ただけで「クリスマスっぽい!」と感じてしまいます。
本日のお話はクリスマスカラーについて。この4色にはどんな意味があるのでしょうか?

クリスマスカラーといえば

クリスマスカラーと言ってぱっと思いつくのは赤と緑でしょうか?
クリスマスツリーの緑にサンタクロースの赤。
この2色に雪の白と、クリスマスのてっぺんの星の金色を合わせた4色が伝統的なクリスマスの色と言われています。
近年では、青やピンク、紫なんかもクリスマスツリーやイルミネーションのアクセントの色として使われていますが、やはり先の赤、緑、白、金色から受けるクリスマスの印象にはかないません。

クリスマスとキリスト教

クリスマスと言えばキリストの誕生を祝う日。キリスト教と深く関わりのある行事です。
ただ、キリストは12月25日に生まれたわけでないのはご存知ですか?
実は新約聖書の中ではキリストがいつ誕生したのかは書かれていません。はっきりした日付は分かっていないのです。

ではなぜ12月25日に祝うのか。
諸説ありますが、一説によると「異教の冬至を祝う祭りと一緒にすることで当時の教会がキリスト教の拡大を狙った」と言われています。
現に、古代ローマ宗教の一つのミトラ教では12月25日「不滅の太陽が生まれる日」とされていました。
日本で仏教が伝来し、神仏習合が起こったのと似ていますね。
元々あった文化に馴染ませることで、広く一般に受け入れられるよう工夫したのです。

クリスマスカラー

そういった背景から、クリスマスカラーにはヨーロッパに元々根付いていた習慣とキリスト教の考えが反映されています。

ヒイラギや月桂樹、ヤドリギのような常緑植物は昔の人々にとって特別なものでした。寒く、暗く、長い冬でも枯れない常緑樹は強い生命力の象徴、永遠の命のシンボルだったのです。
ローマ人は冬至のお祭りで魔除けとして常緑樹のリースをに飾りましたし、乾燥地帯でも枯れないナツメヤシは古代メソポタミアやエジプトで聖樹として扱われていました。

そんな特別な緑がクリスマスに結びついたのは中世。
キリスト教が深く根付いたドイツではクリスマスイブに教会の前で神秘劇が催されるようになっていました。
字が読めない人々に向けて、聖書を分かりやすく演劇で伝えていたのです。
そしてクリスマスイブに行う演目は旧約聖書の創世記。アダムとイブのお話しでした。
劇の中でも重要な、エデンの庭にある「知恵の樹」はモミの木に赤いリンゴを結んで表現していました。
これがクリスマスツリーの原点です。

モミの木に結ばれた赤いリンゴ。旧約聖書には禁断の果実は何の実であるかは言及されていませんが、緑の葉に反対色の赤は映えたのでしょう。
クリスマスの赤は、モミの木に飾られた知恵の実の赤が始まりでした。

また、クリスマスでよくみかける常緑樹にヒイラギがありますが、これの実も赤です。
ヒイラギはキリスト教のシンボルとして知られる植物。先のとがったヒイラギの葉は十字架で処刑されたイエスのイバラの冠を表わし、赤い実はイバラが皮膚を傷つけた際にこぼれた血を表わしているとされています。

赤といえばサンタクロースの服の色でもありますね。
サンタクロースが実在したカトリック教会司教セントニコラウスをモデルにしているという話は聞いたことがあると思います。
カトリックで神官が着る服で赤い色は殉教の色。キリストの受難日や、殉教者のための祝日に着る色です。
この祭服が元になり、サンタクロース=赤い服とされるようになりました。
ただし、サンタクロースの赤い服が一般化したのは実はごく最近。コカ・コーラのCMで深く世に浸透したと言われています。

金色

金色は太陽と光の色です。どちらも暗い冬には必要なものですね。
この金色とクリスマスを深く結びつけるのは、クリスマスツリーのてっぺんに輝く星でしょう。
あの星の名前はベツレヘムの星。
東方の三博士にイエスの誕生を知らせ、ベツレヘムに導いた星です。
また、東方の三博士は幼いイエスに乳香、没薬、黄金の三つを贈ったとされています。
黄金は王権の象徴。イエスが王の中の王であることを表わしています。

白はヨーロッパにおいて純粋さと平和の証。そして寒い冬の雪の色でもあります。
また、キリスト教においては、神秘劇に登場する「知恵の樹」に紙で作った白い聖餅を飾ったことにも由来しています。
聖餅はミサや聖体礼儀で食べる特殊なパンです。「パンとぶどう酒」というとピンとくる方もいるのではないでしょうか。
聖餅とぶどう酒は、イエスが最後の晩餐で「取って食べなさい。これはわたしのからだです。」「みな、この杯から飲みなさい。これは、わたしの契約の血です。」と言われシンボルです。
キリスト教ではとても大切な色なのですね。

 

 

いかがでしたか。
一口にクリスマスカラーと言っても、その由来はヨーロッパの文化とキリスト教と深く結び付いたものでした。
由来を知っていると、町を彩る色が神聖に見えますね。

 

ちなみにグッドクロスのクリスマスツリーも緑、赤、金色、白をモチーフにしております。

グッドクロスクリスマスツリー

 

参考:whychrstmas.com / 唐草図鑑 / 『クリスマス・ウォッチング』デズモンド モリス

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