内田絵梨
半夏生(はんげしょう)という言葉をご存じですか。
季節の移り変わりをつかむために作られた日本独自の暦・雑節(ざっせつ)の一つで、かつては夏至から数えて11日目となる7月2日頃から七夕(7月7日)に至るまでの5日間のことを指し、現在では「太陽黄経が100度を通過する日」を半夏生と定義しています。
2024年は7月1日が半夏生でした。
言葉の由来
雑節の半夏生の言葉の由来は2つあります。
一つは植物の「半夏生」が花を咲かせる時期であること。
半夏生は7月頃に白く小さな花をつけるのですが、この時期のみ緑の葉っぱが白色に変化します。
もっぱら目立つのは花より葉っぱで「三白草(さんぱくそう)」や「片白草(かたしろくさ)」とも呼ばれています。
もう一つは「半夏(はんげ)」という名の生薬になる「烏柄杓(からすびしゃく)」の生える時期であること。
半夏が生えるから半夏生、というわけです。
半夏生には何をする?
半夏生は農家にとっては大切な節目の日とされていて、この日までに田植えを終えておく、という目安になっていたとか。
「チュウ(夏至)は外せ、ハンゲ(半夏)は待つな」という言葉もあるほど。
この時期は半夏雨(はんげあめ)と呼ばれる大雨が降ることが多いので、それまでに稲を植え、しっかりと根付かせるための指標としていたのです。
また、半夏生は物忌みの日でもあり、土地ごとに言い伝えは様々ですが「天から毒気が降る」と言って井戸に蓋をしたり、この日にとった野菜を食べなかったり、地荒神に神酒や麦団子をお供えしたりしていました。
半夏生から5日間は休みをとっていた地域もあったとか。
田植えなどで疲れた体を休めるための大事な時期でもあったようです。
半夏生に食べるもの
関西では半夏生にタコを食べる風習があります。
これはタコの八本足のように稲がしっかりと根付くように、という願掛けの意味合いがあったそうです。
また、タコにはアミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれています。
夏バテになりがちなこの時期に、元気になるためにもタコを食べるのは理にかなっているようです。
おまけ
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参考:7月2日は「半夏生(はんげしょう)」(同志社女子大学) / 半夏生(コトバンク) / 半夏生とタコの関係?(食の大辞典) / 「半夏生」ってどんな日か知ってる? 関西で半夏生にタコを食べる人が多い理由(ウェザーニュース)