TOP / 言葉 2019.11.15

漢字の音読み! 呉音と漢音の見分け方

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音読み

中国で使われる漢字の多くは一つの漢字に対して読み方が一つしかないのをご存知ですか? 次に来る漢字によってアクセントが変わることはあっても音は同じだったり、読み方がいくつかある漢字も音が似ていたりするそうです。

中国の人が日本語を勉強するときは、使われている漢字からなんとなく意味は読み取れるものの、どう発音するかを覚えるので苦戦するとか。
今日はそんな漢字の読み方――とりわけ音読みに関するお話しです。

漢字の読み方

私たちが小学校から習ってきた漢字は、その多くが音読みと訓読みを持っています。
訓読みは中国から伝わった漢字の意味を日本語に翻訳したところから生まれた読みで、送り仮名が振られたり、聞いただけで意味が分かるものが多いです。
一方、音読みはその漢字が伝わったころの中国語の発音を元にした読みで、聞いただけでは意味が分かりません。大抵、他の漢字と組み合わせ熟語にすることで私たちは意味を知ることができます。

さて、この音読みはさらに、呉音、漢音、唐音、場合によっては慣用音があり、それぞれが同じ漢字を違ったように発音します。
たとえば「明」という漢字。呉音は「ミョウ」、漢音は「メイ」、唐音は「ミン」と読みます。
なんとなく響きは似ていなくもない……でしょうか。でも、全く異なる発音です。

音読みの歴史

呉音、漢音、唐音は日本に入ってきた時代が異なります。
最初に入ってきたのは呉音。7世紀ごろまでに六朝時代(222年~589年)の呉と交流のあった、朝鮮の百済から伝わったと言われています。
中国語南方方言に基づく音とされています。

次に入ってきたのは漢音。奈良時代から平安初期にかけて、遣唐使や日本に渡来した中国人によって伝えられました。中国の黄河中流地方の発音に基づく音です。
桓武天皇は792年に漢音奨励の勅を出して、大学寮で儒学を学ぶ学生には漢音での学習が義務付けられました。その頃は、漢音の発音は正しい中国語で発音することが求められたとか。
非常にレベルの高い要求であったため、それまでに浸透していた呉音を漢音に塗りかえることはできなかったのです。

その後に入ってきたのが唐音。宋音とも言います。平安中期から江戸時代までに日本に伝わった発音です。カバーしている時代が長いので、もちろん、中国内での時代も唐の末期から、宋、元、真までまたいでいます。

唐音について

先に上げた「明」の読み方が唐音では「ミン」である例にもあるように、唐音で読む漢字はそこまで多くありません。
行燈(アンドン)、椅子(イス)、和尚(オショウ)、焼売(シュウマイ)、西瓜(スイカ)、箪笥(タンス)等のように日常生活に根付いているものの素直に読めないものがほとんどです。

呉音と漢音の見分け方

他方、呉音と漢音は「明」を「ミョウ」「メイ」と読むように非常によく使われる音です。
この二つの音の見分け方はあるのでしょうか?
言語学等の難しい話は別として、「だれでもわかる法則」として次の5つが挙げられます。

1. ナ行で始まる音読みとザ行で始まる音読みの2つがある場合=ナ行が呉音。ザ行が漢音。
例:日=ニチ・ジツ、然=ネン・ゼン、若=ニャク・ジャク、人=ニン・ジン

2. ナ行で始まる音読みとダ行で始まる音読みの2つがある場合=ナ行が呉音。ダ行が漢音。
例:男=ナン・ダン、女=ニョ・ジョ、怒=ヌ・ド、内=ナイ・ダイ

3. マ行で始まる音読みとバ行で始まる音読みの2つがある場合=マ行が呉音。バ行が漢音。
例:無=ム・ブ、万=マン・バン、美=ミ・ビ、幕=マク・バク

4. 同じ行の濁音(ガ行・ザ行・ダ行・バ行)で始まる音読みと清音(カ行・サ行・タ行・ハ行)で始まる音読みの2つがある場合=濁音が呉音。清音が漢音。
例:極=ゴク・キョク、成=ジョウ・セイ、白=ビャク・ハク、分=ブン・フン

5. チで終わる音読みとツで終わる音読みの2つがある場合=チが呉音。ツが漢音。
例:一=イチ・イツ、質=シチ・シツ、吉=キチ・キツ、達=タチ・タツ

こうして比べてみると、呉音の方がまろみを帯びた音で、4.の例を除いて呉音は破裂音や摩擦音が多い印象を受けます。
いくつも音読みがある漢字を見つけたときに、細かく分類すると何に属されるのかを予想してみるのも楽しいかもしれません。
 

参考:漢字文化資料館 / 大辞林 第三版

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