TOP / 言葉 2020.12.11

正午は「午前12時」か「午後0時」か

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12時

昼の12時は「正午」。
おそらく小学2年生で習った概念です。
時計の短い針が12時を起点に一周すると午前と午後が切り替わります。
11時や4時など、12時以外の時間は午前と午後を付けることではっきりと昼なのか夜なのか区別がつきますが、12時はどうでしょう。
正午は午前12時でしょうか、午後0時でしょうか?

午前と午後の定義

午前と午後の定義は1872(明治5)年の旧暦11月9日に太政官達第337号(改暦ノ布告)で定められました。
これは太陽太陰暦(旧暦、天保暦)から太陽暦(新暦)への改暦を定めた詔書です。
午前と午後に関する定義はこのようになっています。

一、時刻ノ儀是迄昼夜長短ニ随ヒ十二時ニ相分チ候処今後改テ時辰儀時刻昼夜平分二十四時ニ定メ子刻ヨリ午刻迄ヲ十二時ニ分チ午前幾時ト称シ午刻ヨリ子刻迄ヲ十二時ニ分チ午後幾時ト称候事

今まで季節ごとの日の長さによって1日をおよそ2時間ずつの12の時辰で分けていたのを、日の長さに関係なく1日を24等分して子の刻から午の刻までを午前、午の刻から子の刻までを午後とする、といったものです。
そして、この改暦ノ布告で発表された時刻表には、午前は「零時」の表記があり、午後には「零時」の表記がありません。
ここから分かることは、法律的には24時間制の0時(正子)は「午前0時」「午後12時」で、12時(正午)は「午前12時」だということです。
「午後0時」という表現は法律的には存在しないのです。

一般的な「午後0時」

しかしながら、「午後0時」といった方がお昼の12時であることが一目瞭然で分かりやすいという感覚があることも確かです。
1の前は0なので、午後1時の前が午後0時であるのはしっくりくるのではないでしょうか。
そのために国立天文台などの公的機関でも、お昼の12時を「午後0時」、夜の12時を「午前0時」と表現しています。

このように「正午」は、法律上は「午前12時」が正しいとされているものの、一般的には「午後0時」という使われているという、なんだかややこしい表現なのでした。
何はともあれ、分かりやすいのが一番ですね!

参考:違いがわかる辞典(「午前12時」と午後「0時」の違い) / 公益社団法人日本広報協会(広報Q&A 表記について知りたい)

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