TOP / 言葉 2021.06.03

あやめ、花菖蒲、菖蒲、カキツバタの見分け方と違い

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5月から6月にかけて、各地でアヤメ祭りなどが開催され見頃を迎えるアヤメですが、アヤメと花菖蒲、カキツバタの違いがよくわからないので調べてみました。

アヤメ

アヤメ科アヤメ属

高さ30~60cmの多年草。

湿地に生えるイメージがありますが、低山や高原などの明るい草原に生育します。

アヤメは漢字にすると菖蒲、文目、綾目などと書きます。

他の似た花との見分け方は、花弁の元のところが網目状になっているのが特徴です。

花菖蒲

アヤメ科アヤメ属

アヤメのように花弁に網目状の模様は無く、付け根がひし形状に黄色くなっています。

葉の幅が狭く、葉脈がはっきりとして隆起しているところでカキツバタと区別がつきます。

花菖蒲も菖蒲園などで水辺に咲いているのは景観のためで、実際は日当たりの良いところを好み、水辺に近いところから、一般の草花が育つ花壇まで、幅広く育てられるということです。

菖蒲

また、端午の節句のときにお風呂に入れる菖蒲は、花菖蒲とは全く別の品種です。

池や沼などの水辺に生育する多年草です。泥中に根茎を伸ばして広がり、群生します。

花は小さな花が集まった棒状の花穂をつけます。

長年サトイモ科とされていましたが、近年のDNA方式の分類では、他のサトイモ科の植物とはかなり異なることがわかり、単独の「ショウブ科」として分類されています。

葉などを傷つけると大変良い香りがし、この香りが魔除けになると言われ、端午の節句にも用いられてきました。

また、もともとショウブを菖蒲と書いて、「アヤメ」と読ませていましたが、18世紀以降は、花の華やかなアヤメ科アヤメ属の「アヤメ」「花菖蒲」をアヤメと呼ぶようになり、当初は区別をつけるために「はなあやめ」などと呼ばれていましたが、いつのまにか「菖蒲」と書いて「アヤメ」と読むのは本家のこちらではなく、アヤメ科の華やかなほうになり、混同しないよう、こちらは「ショウブ」となったということです。

ちょっと混乱します。

華やかな花が付く方が菖蒲との勝負に勝ったみたいで、なんだか植物ではなく人間というものの特性を見たような気がします。

カキツバタ

アヤメ科アヤメ属。

漢字では燕子花、杜若。

水生で、池や沼地など常に水のあるところを好みます。

名前の由来は「書き付け花」で、古くは衣服を染めるのに利用されたことによります。

花弁の元のところに白いすっとした筋状の模様が入っています。

どれも水辺や水の中に生育しているイメージでしたが、勝手な思い込みで、実際は菖蒲湯に用いる菖蒲と、カキツバタが水中や水辺で育つものだとわかりました。

「何れ菖蒲か杜若(いずれアヤメかカキツバタ)」というように、昔から区別がつきにくくどちらも甲乙つけがたい美しさがあるたとえとされてきた花々。

花の盛りとなるこの時期、どちらかなあと思いながら見てみるのも面白いかもしれません。

出典:みんなの趣味の園芸 NHK出版

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