TOP / 社員日記 2020.04.24

マスクの歴史

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マスク

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、市場からマスクが品薄状態となり早数カ月。
とうとう国が布マスクを全戸配布することになりました。
賛否両論ある政策ではあるものの、毎日ポストをのぞく今日この頃です。
今回のお話はそんなマスクの歴史についてです。

マスクの起源

呼吸器を保護するマスクの起源は1世紀までさかのぼります。
古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスの著書には、動物の膀胱を利用したマスクが紹介されています。
これはローマの鉱山で働く人々を赤い酸化鉛の塵から守るためのものでした。

元祖・布製マスクは16世紀にレオナルド・ダ・ヴィンチが発明したといわれています。
このマスクはきめの細かい布を水に浸して使うといったもの。船乗りのために考案されました。

日本のマスク

日本にマスクが登場したのは明治時代初期のこと。
鉱山作業者のための粉塵除けに使われ「呼吸器」と呼ばれていました。
当時のマスクは真ちゅうの金網を芯にして、フィルターとして布を表面に張り付けるという作り。
吐息で錆びてしまうというデメリットがあったようです。

このマスクが日本で大注目をあびたのが大正時代のこと。
1918年から1920年にかけて世界的に流行したスペイン風邪の予防になるのではないか、と多くの人が買い求めました。
スペイン風邪は当時の世界人口のおよそ4分の1が感染した、人類史上最悪の感染症の1つであるためマスクの流行は当然のものと言えるでしょう。
このスペイン風邪の流行から「呼吸器」は「マスク」と呼ばれるようになりました。

そして、1923年には風邪予防のための「壽(ことぶき)マスク」が製造開始となりました。
それまで日本で作られていたマスクはすべて工場用だったので、壽マスクの販売により、マスクはより身近なものとなりました。
この頃からマスクは様々な改良が加えられ、真ちゅうの金網を合成樹脂に変えたものや、フィルターを革や硬いメッシュに変えたもの、枠をなくした布地だけのマスクが見られるようになります。

1950年には日本初のガーゼマスクが誕生。
1973年には不織布製プリーツ型の原型が日本での生産・販売されるようになりました。
今ではメイクが落ちにくい立体マスクや、PM2.5、細菌、ウイルス、花粉を99%カットするフィルターが使われているマスクなどが普通に売られています。
こうしてみるとここ100年ほどでマスクは加速度的に進化をしていることがわかりますね。

マスク着用が一般化

このようなマスクの進化がある一方で、マスク着用の習慣が日本で一般化したのは比較的最近の2000年以降だといわれています。
そのきっかけは花粉症と2002年の新型肺炎のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行。
空気感染の予防意識の高まりから使い捨てマスクを日常から着用することが広く受け入れられることになりました。

2009年の新型インフルエンザの流行では、またしてもマスクが多くの人に買い求められ、売り切れ騒ぎが続出。
2000年代に「空気感染予防=マスク」の図式が完全に日本で出来上がったと言えるでしょう。

そして今、2020年には新型コロナウイルス感染拡大によって使い捨てマスクが手に入りにくい状態になり、マスクを手作りして利用する人が増えてきました。
予防のためのマスクではなく、人にウイルスを移さないためのマスクへ切り替わりつつあるとも言えるかもしれません。
何年か後に振り替えると、ちょうど今が「マスク歴史の転換期だった」となっているかもしれませんね。

 

参考:日本衛生材料工業連合会 / 日本経済新聞「マスクの歴史 呼吸器・高級品・ガーゼ・使い捨て…」 / テレビ朝日「きっかけはSARS!? マスクが日本で広まった理由」『ANNニュース』

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