TOP / 留学 2019.05.20

東京五輪を10倍楽しむためのルール予備知識 空手

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2020東京オリンピックを10倍楽しむためのルール予備知識。今回は空手です。

空手といえば日本人には馴染みが深い武道であるため、今更ここで説明することも無いように感じますが、オリンピックの正式種目となるのは今回の東京五輪が初めて。

空手は琉球王国時代の沖縄で古くから伝わっていた「手(ティー)」という護身術が中国から伝わってきた拳法の影響を受け独自に「唐手」として発展し、それが本土に伝わり形を変えながら更に発展して「空手」となっていったようです。

わかっているようで知られていない空手のルールを調べていましたが、流派も色々ある為かルールも複雑でお手上げ状態だった頃、ひとりの人物が頭に浮かびました。

ウエムラが入社したての忘年会でも妙技を披露していたし、もしかしたら救世主になってくれるかもしれない予感。

早速、留学交流促進部荒木部長に相談したところ、次の東京五輪で楽しむ空手について書いてくれましたのでご紹介します。

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こんにちは。留学交流促進部の荒木です。

TOKYO2020より新たに採用された種目「空手」。

沖縄発祥の護身術も今や世界中に競技者・愛好家を持つ最もポピュラーな武道の一つです。

世界における空手の競技人口については、様々な事情があって正確な数字を求めることは出来ませんが、約7000万人ともそれ以上ともいわれています。
一方でド定番のオリンピック種目として大先輩にあたる柔道は約130万人程度といわれていることから、競技人口だけでみた場合、空手の方が世界においてケタ違いの圧倒的な人気を誇っていることがわかります。

空手には実に様々な形式・流派がありますが、大きく分けると、
寸止め(相手に打撃を当てずに直前で止める)
フルコンタクト(相手に直接打撃を当てる。いわゆる「極真系」)
の2種類に分かれます。

今回のオリンピックは、寸止め形式を採用する流派が所属する世界最大の団体「世界空手連盟(WKF)」のルールに則って実施されます。
※なお、フルコンタクト空手の流派の一つ「極真会館松井派」が、それまで長年反目し合っていたWKFの直轄団体である全日本空手道連盟(JKF)に歩み寄り、選手の交流を図ってみたりルールを変更してみたりといった変わり身の早さが驚きを以ってメディアに報じられましたが、結果的に松井派からのオリンピック出場は叶わなかった模様で、残念でした。

実施種目は、
(かた)
組手(くみて)
の2種類です。

①のについては、WKFが認定している98種類から選択して演武を行います。
形を正確に演じることは当然ですが、流れとリズム、キレとメリハリが採点のポイントとなります。
一回戦から決勝まで1つずつ形を演じながらトーナメントで勝ち進んでいきますが、一度演じた形は二度と使えないため、決勝まで勝ち進むつもりであるならば少なくとも6~7種類の形をマスターしておく必要があります。
当然ながら選手個々に得手不得手があるため、得意な形をどこで披露するか(最初から出してしまうか、決勝まで取っておくか、組み合わせを見て判断するか)という駆け引き・戦略も(観る側にとっては)醍醐味といえるでしょう。

組手については、突きや蹴りで相手の目的部位を確実にとらえるかどうかを競います。
制限時間内でのポイント制となりますが、8ポイント差がついた(8ポイント先取ではない)段階で試合終了となります。
ポイント、勝敗のつけ方は以下の通りです。
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有効:中段への突き、上段への突き等(1ポイント)
技あり:中段への蹴り(3ポイント)
一本:上段への蹴り、倒した相手への突き等(3ポイント)
※棄権、反則、失格による勝敗決着あり。
※同点の場合:先にポイントを獲得(先取)していた選手の勝利。
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有効な攻撃のポイントを積み上げていく方式なのでボクシングやフェンシングに似ているといえますが、フェンシングのように機械による判定ではなくあくまでも審判の目視による判断となります。
非常にスピーディな攻防が繰り広げられますが、判定は審判による目視であることに加え、上述のように打撃を当てられないため「食らったダメージ」による判断が事実上不可能なので、見落とし・各審判ごとの微妙な判断基準の相違等により、「誤審」「判定への不服」といった問題の発生も十分想定されます。

なお、残念ながら今年2月にパリ・オリンピック組織委員会は追加競技候補から野球・ソフトボールとともに空手を除外する方針を固めました。
空手にとって最初で最後のオリンピックとなるかもしれない東京2020。会場となる日本武道館で生で観戦したいものです。

【出典】
https://wka.jp.net/:空手ロード
http://budou-info.com/:柔道情報まとめサイト
https://tokyo2020.org/jp/games/sport/olympic/karate/:TOKYO2020

 

<書いた人>

荒木 修(留学交流促進部)

幼少時代に勝てなかった兄に復讐すべく大学時代は少林寺拳法部に所属して少拳士二段を取得。アラフィフになって何を思い立ったか極真空手の道場に通い始め、体のデカさだけを買われてサンドバック扱いの充実した日々を送る。

 

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