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あれもこれも!? 花札から生まれた言葉

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花札

テーブルゲームから生まれた言葉、第四段は花札です!
花札はみなさんご存知の通り、日本の四季や花鳥風月をあしらったもので、12ヵ月折々の花が4枚ずつ計48枚で構成されています。
賭博などに使われるイメージもありますが、某夏休み映画のように家族でわいわい遊んだ人も多いのではないでしょうか?
私は花札は「花合わせ」しかできませんが、いつか「こいこい」や「八八」をマスターしたいものです。

それでは、花札から生まれ、私たちが日常的に使っている言葉をみていきましょう。

しかと

これはあまりに有名な花札由来の言葉ですね。
日常的には「無視すること」や「仲間外れにすること」に使われます。

鹿

花札の10月の絵柄「紅葉に鹿」の札で、鹿がそっぽを向いていることから、「無視をする」意味で使われるようになりました。
「鹿の十(しかのとお)」で「しかと」というわけです。
1956年(昭和31年)の警視庁刑事部による『警察隠語類集』には「しかとう とぼける。花札のモミヂの鹿は十でありその鹿が横を向いているところから」とあり、元は賭博師の隠語だったようです。昭和30年代後半には若者の間に広まり「しかとう」から「しかと」へと言葉が変化していきました。

ヤクザ

ヤクザは「ばくち打ち・暴力団員など、正業に就かず、法に背くなどして暮らす人」や「役に立たないこと、価値のないこと」などを指す言葉です。
実はこれも花札由来の言葉。

暴力団

花札には「おいちょかぶ」というゲームがあります。このゲームは花札賭博の一つで、札を引いて合計した数の一の位を競うもの。9が最も強く、0が最も弱くなります。
8、9、3の3枚を引いてしまうと合計が20となり一の位は0なので負け確定ですね。
8(や)、9(く)、3(ざ)で「ヤクザ」というわけです。無得点の手札であることから「役に立たないこと、価値のないこと」を意味するようになり、遊び人や博徒なども「ヤクザ」と呼ぶようになりました。

買って出る

買って出るは「自分から進んで引き受けること」を言います。

立候補

花札は3人で勝負するため、参加者が4人以上いる場合は、親から数えて4人目以降の下座の人は外されてしまいます。
下座の人がどうしても勝負に参加したい場合は、その代償として上座の人から役札を買い上げて参加させてもらっていました。
このことから「頼まれてもいないのに自ら進んで引き受ける」という意味になったそうです。

ピカイチ

ピカイチは「多くの中で際立って優れていること」です。
実はこれ、ぴかぴかの一等賞が縮まった言い方ではありません。

みにくいあひるの子

ピカイチは花札の手役の一つで、初めに配られた7枚の手札のうち、光り物(20点札)が1枚で、あとの全部がかす札であるものを指します。
なのでピカイチは漢字で書くと「光一」となります。

一点張り

一点張りは「他の事を顧みず、その事だけを押し通すこと」です。

競馬

一点張りは近世後期の博打言葉で、さいころ博打や花札などで同じところばかりに賭け続けることを「一点張り」と言いました。
元が賭博用語であるからか、同じ意味の「一筋」と比べ、「一点張り」はマイナスの印象を与えますね。

 

 

いかがでしたか? 意外なものはありましたでしょうか?
花札は賭博で使われていた性質上、悪い印象の言葉の由来になっていることが多かったですね。
テーブルゲームが由来の言葉はそのゲームがどのように人々に親しまれてきたかによっても、伝播する意味合いが変わるようです。

デジタル大辞林 / 語源由来辞典 / 実用日本語表現辞典

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